221B〜探偵の奇妙な推理録〜

DeNA

このプロダクトは一人用のウミガメのスープのゲームアプリです。ユーザーはCPUに質問しながら謎を解いていきますが、CPUの返答にはLLMを使用しています。私はサービス立ち上げ時のデザイナーとして参画し、ゲームの世界観設定からUIUXデザイン、イラスト制作、デジタル広告のクリエイティブ制作まで幅広く担当しました。

リリース段階ではインゲームのみのシンプルな体験を想定していましたが、成功した場合にはストーリー性を持たせたり、複数のキャラクターを登場させる展開も視野に入れていました。「探偵」というモチーフは拡張性に優れ、謎解きとの相性も良いことから採用しました。本作は一人で黙々と謎解きをするゲームであるため、プレイヤーを「見習い探偵」として位置づけ、様々な謎を実践的に解きながら成長していくというストーリーをつくりました。

探偵のキャラクターはユーザーにとって師匠という立場にあたるため、頼りがいがあり知的な雰囲気を感じさせるデザインを目指しました。作品の舞台がイギリスということもあり、トレンチコートを着用させていますが、ダブルブレストのクラシカルなトレンチコートにチェック柄のケープを組み合わせることで、重厚になりすぎず親しみやすい印象を演出しています。また、イラストのトーン&マナーをフラットデザインで統一することで、立体感を抑えたミニマルな表現となり、洗練されたおしゃれな印象を作り出すことを目指しました。5パターンのポーズ/表情違いのイラストは、ユーザーの質問内容によって変化してアプリ内で表示されます。

「一人で遊ぶウミガメのスープ」というコンセプトがユーザーに響くかを検証するため、まずはインゲーム機能のみを実装し、Meta広告を活用してユーザーテストを実施しました。リリース時点では問題のクオリティやLLMの精度も発展途上でしたが、AIブームによる競合サービスの参入リスクを考慮し、スピード重視で市場投入を決断しました。デジタル広告のクリエイティブは、AI機能を訴求するもの、ゲームの世界観を表現するもの、ウミガメのスープ自体を訴求するものなど、複数パターンを制作してテストを行っています。また、次回アップデートのための戦略の検討や企画も自身で行っていて、現在はデザイナーをしながらPdM,プロダクトオーナーを兼務しています。

©seka3.com

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